運命の出会い?
運命の出会い、という言葉があります。
出会った人間は、運命の出会いだから、大切にしなければならない、というものです。
確かに、運命の出会いを大事にするのも良いことがあります。
ほんの少しの違いで、出会う人間は全然変わってくるものです。
例えば、大学などであれば、全国から人が集まり、その大学の志望者もほんのちょっとしたことで変わってしまうでしょう。
ほんのちょっとした志望動機の違い、受験日の問題の解け具合、採点者の採点基準など、様々な要素が絡みあって、同じ大学、同じ学年、同じ学科、同じサークル、などが決定します。
本当に、奇跡的な確率で、出会いというのは形作られるものです。
しかし、もっと大事なものがあると思います。
単なる偶然を、「運命」という言葉で誤魔化しているように感じられるのです。
私は医学部医学科卒で、医学部は日本では一学年100人程度と少人数で、6年制と、通常の大学よりも長いです。
また、通常の学部よりも、実験や、実習などが多く、同学年の関係も密で、先輩、後輩との関係も密です。
私も、以前は「運命の出会い」という言葉を信じて、このメンバーで仲良くしていこう、と思っていました。
しかし、どうひいき目に見ても、この人たちと付き合っているのは自分にとってマイナスだ、と確信するに至り、関係を切ることにしました。
頭脳、人間性、あらゆる面において、尊敬できる人物がいなかった、というのが原因です。
その結果、本当に楽しい生活を送ることができています。
以前は、飲み会などにも律儀に参加していたのですが、それをやめてから、本当に幸せな日々を送ることがきています。
陰で付き合いが悪い奴と思われているらしいですが、彼らにどう思われても、自分の人生には全く影響がないので、全く気になりません。
そして、その他の出会い、自分で作り出して出会いで付き合い始めた人としか交流しないことにしました。
運命の出会い、というと聞こえは良いですが、単なる偶然の出会いの中で、自分と本当に相性が良い人、自分にとって本当に付き合うべき人と出会える可能性は非常に低いです。
例えば、大学などでよくサークルがありますが、「運命の出会い」で出会った中で練習していても、最高に成長できる確率は非常に低いです。
それよりも、その趣味をやりたくて元から集まった集団に入っていった方が、自分の身になると思います。
運命の出会いという名の「偶然の出会い」よりも、「必然の出会い」を作っていく方が、大変ですが、後で良かった、と思えるのではないでしょうか?
学校や、職場などの偶然の出会いだと、バックグラウンドが同じで、仲良くなりやすい環境が整っています。
話題を頑張って考えなくても、共通の背景、共通の体験が豊富で、話題に困ることはほとんどないでしょう。
しかし、そういう「共通のもの」が全く無くても、惹かれ合う関係を「何か」で作れたら、その「何か」における関係性が深いと言えるでしょう。
互いのプライベートなことは何も知らないけど、その何かについて何時間も時間が過ぎるのも忘れて語り合える、一緒に共有できる、そういう関係を作れる相手を見つけられたら、幸せだと思いませんか?
単なる偶然の出会いを、「運命の出会い」という聞こえの良い言葉に変換して、出会いを自ら作る努力を怠っている人が多いように思います。
私のように人間関係を全て切る、というような思い切ったことをするのは難しいかもしれませんが、
必然の出会いを作り出す努力をしてみてください。ほんの少し頑張るだけで、自分の人生を変える出会いを、自らの力で作り出すことができると思います。
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