「シロクマ」はなぜ白い?

まずは、以下の問題を解いてみてください。

 

 

 

Q.「シロクマ」はなぜ白い?

 

 

ヒント:シロクマの正式名称はホッキョクグマで、北極に住んでいます

 

 

 

さて、解けましたか?

 

答えを見る前に、もう一度よく考えてみてください。

 

 

多くの人は、「保護色」をという言葉を知っており、

 

「敵に見つかりにくいように周囲の雪に合わせて色が白い」

 

が答えだと思った人は多いでしょう。

 

 

 

しかし、シロクマは生息地の北極で最強クラスの生物であって、周囲の敵から隠れる必要はほぼないのです。

 

知識の無い人でも、シロクマより強い動物はあまりいないのではないか、ということには思い至れると思います。

 

そのため、

 

「敵に見つかりにくいように周囲の雪に合わせて色が白い」

 

というのは、

 

シロクマが白い理由として考えにくいでしょう。

 

 

それでは、シロクマは白い本当の理由は何なのでしょうか?

 

それは「体温を保つため」です。

 

シロクマの体毛は白く見えますが、実は透明で、

 

光を透過して熱を取り入れやすくしている、という訳です。

 

多くの哺乳類の体毛がたとえ白色であっても光を透過しないのに対して、

 

シロクマの体毛は光を透過し、内部が空洞になった特殊な構造のために、散乱光によって白く輝いて見える、

 

という訳です。

 

 

 

もう一つ、シロクマが白い理由として考えられる理由があります。

 

それは「獲物に見つかりにくくするため」

 

です。

 

「周囲の色に体色が似ていると、見つかりにくい」

 

というメリットがあるのですが、

 

このメリットは、狙う時・狙われる時ともに生じるメリットなんです。

 

そのため、シロクマが獲物を狙う時に、獲物に見つかりにくく、こっそりと近づくことができるんです。

 

 

 

先述の通り、

 

多くの人は、「保護色」をという言葉を知っており、

 

そのため「敵に見つかりにくいように周囲の雪に合わせて色が白い」

 

と考えた人は多いでしょう。

 

 

この思考の経路には理由があって、

 

小学校の科学の教科書には必ずと言ってよいほど保護色の昆虫の写真が載っています。

 

 

保護色という言葉を知ったのが、

 

多くの人にとって「昆虫が保護色で隠れる」という事例であると考えられるからです。

 

 

 

この「保護色は隠れるため」という知識が脳内にあり、

 

その知識に引きずられて「シロクマは白い+雪は白い=保護色」

 

それを基に帰納的に類推した結果、他の可能性に気付くことができなかったわけです。

 

原因と結果は一対一で対応しているわけではありません。

 

一つの結果に対して、複数の原因があったり、

 

一つの原因に対して、複数の結果があったりします。

 

このことを常に意識して、物事の因果関係を捉えるようにしましょう。

「シロクマ」はなぜ白い?

さて、実はもう一つ、シロクマが白い理由として考えられる可能性があります。

 

それは、「外敵から狙われないように体色が白い」という理由です。

 

これは、解答の冒頭でその可能性は低い、と解説しましたが、完全には否定できません。

 

現在はシロクマに外敵がいなくとも、「昔は」天敵がいたかもしれないからです。

 

もしかすると、シロクマよりも大きく強い生物が北極に存在し、シロクマを捕食しており、

 

その生物から逃れるために体色を白く進化させたのかもしれません。

 

このような「現在は存在しない理由」は見落とされやすいので、注意が必要ですよ。

 

 

「現在は存在しない理由」の代表例は、「組織の規則」です。

 

昔存在した「或るもの」のために、効率化を目的として規則が作られたものの、

 

その或るものが消えてからも、その規則が残り続けている、ということです。

 

その他にも例を挙げると、「放射線」などの科学物質があるでしょう。

 

放射線は、現在で存在しなくても、昔の影響で生物に様々な悪影響を及ぼすことで知られています。

 

特に、生物系を主な対象にしている人は、

 

この「現在は存在しない理由」が大きく影響していることが多々あるので、特に注意すべきです。

 

その結果、意味のない規則がたくさんある、という組織は数えきれないほどあるでしょう。

 

 

このような現在は存在しない理由を見落とさないためには、

 

「影響を及ぼすまでに時間がかかるものがある」

 

ということを覚えておけば良いでしょう。

 

 

 

 

シロクマが白い理由として、上記に挙げたのはあくまで可能性が高いものであって、

 

その他の理由でシロクマが白いことも考えられます。

 

例えば「偶然白い」

 

なんてことも考えられるのです。

 

また、複数の理由が重なって白い、ということも考えられます。

 

体温を保つため・獲物に見つかりにくくするため、の両方が理由ということも、もちろん考えられます。

 

大事なのは、上記に挙げた可能性が頭に思い浮かんだか、ということです。

 

「周りから狙われないように白い」だけしか思い浮かばなかった人は、よく反省してください。

 

 

 

今回のシロクマの問題で学んで欲しかったことは、いくつかあります。

 

 

・知識を取り入れる時は、必ず理由とともに記憶する

 

・原因と結果は一対一で対応しているとは限らない

 

・今は存在しない理由が現在の結果につながっていることがある

 

 

といったことが、私が今回のシロクマの問題を通して伝えたかったことです。

 

「保護色」という「言葉」を思い出しただけで、問題が解けた気にならないようにしてください。

 

 

 

今回の問題を解くように、情報を吟味して知識を得ていけば、

 

「応用の効く知識」がどんどん増えて行き、

 

さらにそれと並行して演繹的な考え方の習慣がつくようになり、

 

正しい思考=論理的な思考ができるようになるのです。

 

慣れないうちは、非常に時間がかかりますし、面倒臭いですが、

 

継続していくと、本当の意味で自分の頭がどんどん良くなっていくのが自覚できると思います。

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