「多数決」という不思議な制度

多数決という不思議な制度について考察してみましょう。

 

多数決とは、物事について決定する際に、最も多くの人が選んだものに決定する方法ですが、

 

この方法は、かなりの確率で、適切なものが選ばれない場合があります。

 

なぜなら、頭が良い人よりも、頭が悪い人の方が世の中、圧倒的に多いので、多数決で決めた結果は、適切な判断である可能性は高くないわけです。

 

頭の良い一人の人間が、演繹的な論理で考えて、正しいと判断したものの方が、はるかに適切な確率は高いはずです。

 

 

多数決を行う集団が、頭の良い人間だけで構成されているのなら、多数決で決定したものが適切である可能性は高くなりますが、

 

そのような頭の良い人間だけで構成されている集団が、多数決のような非論理的な制度を採用するとは思えません。

 

むしろ、多数決という制度を採用した時点で、その集団は頭が良い集団と言えないと思います。

 

 

しかし、この多数決という不思議な制度は、いまだに、色々な組織で採用されているようです。

 

多数決という制度は、適切なものを選ぶための制度ではなく、

 

「後で文句を言わせない」ための制度

 

です。

 

最も選んだ人数の多いものを採用する、ということは、

 

最も多くの人間で≪責任を分散させられる≫

 

ということです。

 

多数決は、その決定が適切でも、適切でなくても、個人が最も責任から逃れることができる制度なのです。

 

これが理由で、多くの組織で、多数決という不思議な制度は使用され続けているのです。

「多数決」が役に立つ場合

ここまで、多数決という制度がいかに駄目かを説いてきましたが、

 

実は、多数決が最適な場合があります。

 

それは、「論理」ではなく、「感性」で決まる物事の場合です。

 

 

多数決は適切なものが選ばれる確率が低い、という話をしましたが、「適切」という概念に依存しない対象ならば、

 

多数決が最適です。

 

 

この解説のために、「色」を例に挙げてみましょう。

 

「大学のサークルで、サークルで使うTシャツを何色にするか?」という議題ならば、

 

多数決で決めるのが良いでしょう。

 

対外的な活動をする場合は別ですが、(ボランティアサークルなどで、派手な色が多数決で好まれても、適さない)

 

自分たちの活動のためだけなら、そのサークルに属するメンバーの「感性」に最も大きく依存するものなので、「多数決」が最適です。

 

色というのは、論理的に優劣が決まるものではなく、感性で好みの色は決まるものなので、

 

後で文句が出ないようにするためにも、多数決が最適と言えます。

 

 

 

今度は、「飲食店の内装を何色にするか?」というものについて考えてみましょう。

 

この場合、「感性」による基準だけで決めることができません。

 

その飲食店を繁盛させなくても良いなら、創業メンバーが多数決で色を決めてよいですが、

 

繁盛させたいのなら、「客」のことも考えなければなりません。

 

有名な色彩心理学として、飲食系の店には暖色(赤や橙など)が適している、というものがあります。

 

赤などの暖色は、人間の体感時間を長く感じさせるという効果があるため、同じ時間でも、客が長く店にいたと感じるため、客の回転率が上がる、という理論です。

 

この場合は、多数決で決めるのではなく、このようなっ色彩学の知識を考慮しながら、論理でどの色にするかを決める必要があります。

 

 

多数決は、論理的思考のできる人間は圧倒的に少ないため、

 

多くの場合であまり良い問題解決の方法ではありません。

 

そのテーマが「論理」に依存するものなのか、「感性」に依存するものなのか、論理的にしっかりと判断して、多数決は用いるようにしてください。

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