イヤホンをすると耳が悪くなる?

日々、世界中で様々な実験が行われており、

 

様々な実験結果が発表されています。

 

しかし、実験方法や、実験結果から結論に至る思考が不備の多い実験だらけです。

 

そこで、そのような非論理的な実験に惑わされないように、

 

ある実験の不備を摘することによって、論理的思考を磨きましょう。

 

まずは以下の実験内容に目を通してください。

 

・実験内容

 

目的:イヤホンとヘッドフォンの聴力低下への影響を調べる

 

 

背景:近年、可搬音楽再生機器の普及に伴い、若者を中心として聴力低下の傾向が著しい。

 

そこで私たちは街頭でイヤホンおよびヘッドフォン使用者の聴力を測定することにより、

 

イヤホン及びヘッドフォンの聴力への影響を調べることとした。

 

 

方法:街頭におけるイヤホン使用者・ヘッドフォン使用者、各1000人(聴力の標本数としては十分な数値)に対して、

 

使用者の聴力測定を行った結果(音量を挙げていき、音が聞こえたらボタンを押すタイプのもの)

 

イヤホン使用者の方がより遅くボタンを押すこと、つまり、より聴力が低いことが判明した。

 

 

結論:イヤホンは聴力低下に著しい悪影響を与える。

 

そのため、私たちは、これからイヤホンの危険性を世界中に積極的に伝えていきたいと考えている。

 

 

 

それでは、この実験の「結論」に論理的に反論してみてください。

 

解答を見る前に、自分の頭で十分に思考してみてくださいね。

イヤホンをすると聴力低下する? 解答

それでは、上記の実験に対する反論を述べていきたいと思います。

 

 

 

・聴いている音楽の種類は?

 

「音楽を聴く」という行為は、「音量」のみで構成されている訳ではありません。

 

音楽によって、使われている楽器が当然違います。

 

また、鼓膜の振動のし具合も、人によって違うでしょう。

 

イヤホン使用者が、鼓膜への悪影響の度合いの強い音楽を好む傾向にある、ということも考えられます。

 

逆に、ヘッドフォン使用者が鼓膜への悪影響の度合いの弱い音楽を好む傾向にあるということも考えられます。

 

イヤホン・ヘッドフォン同一の音楽で実験を行わないと、正確な結果は得られません。

 

 

・イヤホンとヘッドフォンのそれぞれの性能は?

 

イヤホンとヘッドフォンのそれぞれの性能はどうでしょうか。

 

イヤホンの方が低価格で手に入れやすく品質が低い可能性が考えられます。

 

品質が低いことにより、音質が悪かったり、遮音性が低かったりして、

 

音量を大きくしがち、という可能性が考えられます。

 

性能の良いイヤホンなら、イヤホンの方が耳に良い、という逆の結果が出るかもしれません。

 

また、音質を気にしなくて安いイヤホンを選択する人は、健康も気にしない傾向にあり、そのため耳への負担を考えずに音楽を聴いている、

 

という可能性もありますね。

 

健康意識の高い人がイヤホンを使ったら、ヘッドフォンと悪影響の度合いが変らない、ということも考えられます。

 

 

 

・どんな街か?

 

街によって文化が全然違うことがありますね。

 

知的レベルの低い街では、書店が全然ないということがよくあります。

 

皆がを読まないため本の売り上げが低く、書店ができてもすぐ潰れてしまう、ということです。

 

そうすると、住む街によって、住む人も傾向も違ってくるので、人の聴く音楽のタイプが違うことも考えられますね。

 

 

・年齢の偏りは?

 

上記の実験では、年齢の偏りは記載されていません。

 

町全体の平均年齢が低かった、高かった、といった可能性があります。

 

年齢によって好む音楽は異なってくるでしょう。

 

それにより、聴く音楽のタイプにも偏りが出て、イヤホン・ヘッドフォンの影響にも偏りが出るでしょう。

 

 

・イヤホンとヘッドフォンの所有率は?

 

イヤホンとヘッドフォンの所有率はどうでしょうか。

 

例えば、イヤホンが50人に一人所有、

 

ヘッドフォンが500人に一人所有、

 

と仮定すると、所有率の低いヘッドフォンでは、正確なデータが取れたとは言えません。

 

 

・調査の時間帯は?

 

この調査を行った時間帯はいつでしょうか。

 

調査の時間帯によって、街中を歩いている人のタイプは当然変わってくるでしょう。

 

例えば真夜中であれば不良が多い、という感じでね。

 

イメージですが、不良は重低音の激しい曲を聴いている気がします。

 

また、時間帯によって聴く音楽のタイプは変わってくるのではないでしょうか。

 

それによって、耳への影響の度合いが変わってきます。

 

 

 

・装着感の違いは?

 

装着感の違いからも、聴力への影響が違うでしょう。

 

イヤホンは耳の中に入れる

 

ヘッドフォンは耳の外を覆う

 

という大きな違いがあります。

 

耳の中に入れるのが苦手な人が、イヤホンを気付かずに使っていると、

 

無意識に不快感を感じ、音量が大きくなる可能性なども考えられます。

 

これはヘッドフォンの場合についても同様のことが言えます。

 

装着感の良いイヤホンなら、結果は変わったかもしれません。

 

 

被験者は真面目に協力したのか?

 

イヤホン使用者・ヘッドフォン使用者それぞれの群れで性格の違いがあるでしょう。

 

なんらかの性格の違いが、イヤホン・ヘッドフォンの選択に影響を及ぼしていることは十分に考えられます。

 

実験に真面目に協力していないと、音が聴こえていてもぼーっとしていて反応が遅い、

 

忙しい人間なら、実験を早く終わらせるために聞こえていなくても早くボタンを押す、

 

などといったことが考えられます。

 

イヤホングループ、ヘッドフォングループそれぞれの性格の違いが、実験結果に影響したかもしれません。

 

 

・普段はどうやって音楽を聴いているか?

 

外出時にはイヤホンを使っていても、部屋ではヘッドフォンを使う、という人もいるでしょう。

 

外出時にはかさばるから、ヘッドフォンではなく、イヤホンを使っている、という人の場合、

 

その人はヘッドフォンの影響の方が強いのにも関わらず、「イヤホン使用者」にカウントされてしまいます。

 

普段はどうやって音楽を聴いているか、を聴いておくべきでしょう。

 

部屋では「スピーカー」で音楽を聴いており、スピーカーが一番、聴力に悪影響を与えるのかもしれませんね。

 

また、場所によって聴く音楽が違う、という人もいるでしょう。

 

外出時には、所詮細かい音は聴き取れないのでイヤホンでJーpopを聴くが、自宅ではヘッドフォンで長時間クラシックを聴く、

 

という人がいるとします。

 

すると、クラシックの方が耳に悪い仮定した場合、聴力低下は本当はクラシックの影響なのに、

 

イヤホンによる影響にされてしまいますね。

 

 

・音量よりも時間の方が関係性が強いのでは?

 

これでは、音楽が好きな人が、音楽を細部まで楽しむために音量を大きくしているだけで、

 

音量そのものは関係なく、音楽を聴いている時間の長さが関係するのではないか、ということです。

 

音楽を好きな人は、音楽を聴く時間が長いので、それが聴力低下の主原因かもしれません。

 

音量の大きさは、それほど関係ないかもしれません。

 

イヤホンの方が持ち運びに優れているので、必然的に音楽を聴く時間が長くなり、

 

その結果聴力が低下しやすい、ということも考えられます。

まとめ

どうでしたか?

 

反論と言っても、無限にあるので、影響の小さいものを除いて、網羅していますが、

 

どれだけ気付けたでしょうか。

 

上記の反論は、専門的な知識を用いずに、論理で導けるものばかりです。

 

ほとんどを思い付くことができれば、論理的思考はかなりある方でしょう。

 

因みに、この実験は架空の実験で、私が論理的思考能力を測定するためにオリジナルで作成したものです。

 

普段から、実験結果を鵜呑みにせず、今回のように分析する習慣をつけてくださいね。

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