フェルミ推定とは フェルミ推定の意義

フェルミ推定とは、実際に調査したりするのが難しいような、とらえどころのない数を、ロジカルシンキング(論理的思考)により推測し、短時間で概算することです。

 

フェルミ推定は、物事を行う際に、「数値を概算」することにより、問題解決を行うかの決定をしたり、問題解決の速度アップをしたりするのに役立ちます。

 

フェルミ推定は、マッキンゼーや、ボストンコンサルティンググループなどの、外資系のコンサルティング会社の面接試験でよく使われることで有名です。

 

決まった答えの無い問題に対して、いかに論理的に分析することができるかの力を見るのに、フェルミ推定の問題は適しているのです。

 

また、フェルミ推定は、ロジカルシンキング(論理的思考)のトレーニングにも、かなり効果的です。

 

 

フェルミ推定は特に、

 

問題解決の速度が要求されるもの

 

問題自体が流動的なもの

 

に対して有効です。

 

問題解決の速度が要求される問題については、いちいち細かなデータをとっていては時間がたりません。

 

また、問題自体が流動的で、各数値がどんどん変わっていくような問題も、データをいちいちとっていては時間が足りません。

 

概算によって求められた大まかな数値でも、役に立つことがあるのです。

 

問題解決の際に、ロジカルシンキング(論理的思考)によって導き出した結果を分析する際に、数値計算が必要になることがあります。

 

フェルミ推定した結果、数値が極めて小さく、全体にほとんど影響を及ぼさない場合なら、それについては考慮する必要がありません。

 

また、フェルミ推定した結果、それぞれの要素について影響の及ぼす度合が分かれば、影響の度合の大きい順に行っていけば良いです。

 

そのような時に、具体的な細かな数値を調べる必要が無いときに、フェルミ推定を使うことで分析が早くなるのです。

 

正しいデータはあるに越したことはないですが、データをいちいち全て収集していては、速度が損なわれるため、そのデータを取るべきかどうかの判断は重要です。

 

無目的に、集められるデータを全て集めると、不要なデータが増え、データの収集時間が無駄になることが多いのです。

 

 

フェルミ推定は、各種の問題解決において序盤に行うと便利です。

 

数値を計算することで、数値を除いた要素のみで思考するまでもなく、すぐに問題解決の方法がダメであるかがすぐに分かることが多いからです。

 

数は、絶対的な尺度であり、影響の度合が分かりやすいため、色々な要素を分析するまでもなく、工夫の余地が無いほどの数値の開きがあれば、その方法については思考する必要はありません。

 

詳しく調査していない数字、限られた情報から得られたつかみどころのない数値を予測するのは誤差が大きいのはもちろんのことです。

 

しかし、つかみどころのない数値を何の予測もせずに、細かな要素を分析するのと、あらかじめ、ある程度の予測をつけてから分析を行うのとでは、分析作業の効率が格段に違ってきます。

 

フェルミ推定であらかじめ予測をしておくことで、スピーディな問題解決が可能となるのです。

フェルミ推定問題の解き方のコツ

フェルミ推定問題の解き方のコツを、以下では解説していきます。

 

あなたは、フェルミ推定問題をいくつか解いたことがあるかも知れません。

 

その時に、「こんなアイデア、どうやったら出るんだ?」ということを思ったことがある方もいらっしゃるかも知れません。

 

フェルミ推定に関する書籍やサイトはたくさんありますが、フェルミ推定問題の解き方をきちんと体型的に解説しているものはほとんどありません。

 

ほとんどのフェルミ推定問題の解説では、

 

「なぜ、そのように対象を分解したのか?」

 

「どうやってそんな発想を思いつくのか?」

 

といった多くの方が抱くであろう疑問に対する答えを述べていません。

 

以下では、このような問題を解決した、フェルミ推定問題のコツを、体型的に詳しく解説していきます。

 

フェルミ推定問題の解き方のコツ 問題を分解する

まず、フェルミ推定する対象を、適切な大きさまで分解します。

 

具体的な数値が算出できるレベルまで、フェルミ推定の対象を分解します。

 

そして、分解ができたら、それぞれに分解された要素をフェルミ推定します。

 

フェルミ推定が上手くいかない所があれば、再度、その要素を分解し、フェルミ推定を行います。

 

つまり、要素に分解→各要素のフェルミ推定を繰り返すわけです。

 

これにより、各要素の数値がフェルミ推定できたら、それらの数値から、元のフェルミ推定する対象の数値を求めます。

 

これが、フェルミ推定全体の流れです。

 

どのレベルまで分解するかは、あなたの知識によります。

 

自分の知っている数値で計算できるレベルまで、フェルミ推定する対象を分解します。

 

 

フェルミ推定する対象を分解する際のコツは、「加減乗除」を考える、ということです。

 

この世に、計算方法は「足す」か「引く」か「掛ける」か「割る」の4つしか存在しません。

 

何と何を足すか、何から何を引くか、何と何を掛けるか、何で何を割るか、という4つのパターンしか存在しないのです。

 

したがって、分解をする際は、常に加減乗除のいずれを用いれば算出できるか?、ということを考えます。

 

 

 

その際、「部分」を考えると上手くいきます。

 

フェルミ推定する対象を足し算・掛け算で求めるなら、その計算に使うものの数値は、フェルミ推定する対象よりも小さいはずです。

 

フェルミ推定する対象を引き算・割り算で求めるなら、その計算に使うものは、フェルミ推定する対象よりも、一方は大きく、一方は小さいはずです。

 

これは、ごく当り前に聞こえるかも知れませんが、フェルミ推定問題を解くに当たって、非常に重要な考え方です。

 

したがって、足し算・掛け算で求める場合は、フェルミ推定する対象は「部分の集合」であり、

 

引き算・割り算で求める場合は、フェルミ推定する対象は「ある全体の部分」である、ということです。

 

分解する際には、

 

フェルミ推定の対象は、何の部分か?

 

フェルミ推定の対象は、どういう部分に分けられるか?

 

の二つだけを考えればよい、ということです。

 

フェルミ推定問題の解き方のコツ 問題を分解する際のコツ

フェルミ推定を行う対象を分解する際には、

 

「物理的制限は生じるか?」

 

ということを常に意識しながら行っていきます。

 

自分の知っている数値で計算できるレベルまで分解する、ということとともに、

 

物理的制限が生じるまで分解する、ということも意識することで、フェルミ推定がしやすくなります。

 

物理的制限には、

 

・長さの制限

 

・面積の制限

 

・体積の制限

 

・時間の制限

 

・速さの制限

 

・角度の制限

 

・質量の制限

 

・金銭の制限

 

 

などがあります。

 

これらの物理的制限が使えるようになる所まで、フェルミ推定する対象を分解することで、数値を推定しやすくなります。

 

その際、最も物理的制限が厳しそうな所からフェルミ推定を行っていくと、フェルミ推定の速度がアップします。

 

例えば、飛行機の重さをフェルミ推定する問題ならば、物理的に、地面と設置するタイヤ部分が最も物理的制限が厳しそうだな、

 

という感じで着眼することで、フェルミ推定しやすくなるのです。

 

自分の知っている数値で計算できる所まで、物理的制限が生じる所まで問題を分解するのがフェルミ推定問題を解く際のコツです。

 

 

 

フェルミ推定する対象を分解する際には、計算しやすいように、「全体を一定倍して考える」、というコツがあります。

 

例えば、~の数を求めよ、という問題があり、

 

~の数=Aの回数÷Bの回数となった場合に、

 

~の数=(一時間当りの)Aの回数÷(一時間当りの)Bの回数

 

という感じです。

 

(一時間当たりの)部分は、分母と分子で帳消しになるので、適宜数値を入れ代えても構いません。

 

また、分母と分子だけでなく、左辺と右辺とともに一定倍する場合もあります。

 

数値が小さすぎて小数点になってしまったり、数値が大き過ぎて桁を把握しづらくなったりすると、計算が煩雑になるので、適切な一定倍を行いましょう。

 

例えば、「1メートル当たりの個数」にしたり、「一時間当たりの回数」にしたり、「一日当たりの消費量」にしたり、といった感じです。

 

適切に一定倍することで、フェルミ推定が非常にやりやすくなります。

 

 

 

分解する際に、複数の求め方が得られる場合があります。

 

時間を元に算出する場合と、距離を元に算出する場合、などです。

 

その場合は、それぞれの方法でフェルミ推定してみて、数値を比較すると、より正確なフェルミ推定ができます。

 

一つのルートでフェルミ推定できたからと言って油断せず、他にフェルミ推定する良い方法は無いか、ということをチェックする習慣をつけましょう。

 

そうすれば、適切な分解は何か、ということが身に着くようになっていきます。

フェルミ推定問題の解き方のコツ  数値の類推・上限と下限の推定

・数値の類推

 

フェルミ推定を行う際に、数値が良く分からない場合は、関連するものから類推してみます。

 

数値を知りたい対象に類似・関係するものを想起することで、数値を類推することができます。

 

どれだけ類推することができるかは、普段から「物事の関係性」を意識しているかどうかにかかっています。

 

 

類推の例を挙げてみましょう。

 

「○○宝くじのを全て重ねると、厚さはいくらになるか?」というフェルミ推定の問題があるとします。

 

すると、この問題で重要となってくる宝くじ一枚当たりの厚さを求める時に、類似・関係するものを想起することで、一枚の厚さを推定することが可能となります。

 

コピー用紙を使ったことがある人なら、100枚でこれくらいの厚さだったな、ということから紙の厚さ分かると思いますし、

 

トランプを使ったことがある人なら(これはほぼ全ての人が使ったことがあるでしょう)トランプが全部で52枚で、厚さが1cm以上はあり、3cmは無い、ということが用意に推定できるでしょう。

 

他にも、読書を良くする人であれば、200ページの新書に厚みは1cm位だから、紙一枚当たりの厚さは・・・などと、数値を推定することができます。

 

 

このように、フェルミ推定する対象の数値が分からない場合でも、類似・関係するものを想起することで、数値の推定が可能となるのです。

 

これができるかどうかは、普段から物事をどれだけよく観察し、物事の間の関係性を意識しているか、にかかってきます。

 

これについては、因果関係のカテゴリーで詳しく解説しているので、参考にしてください。

 

 

・上限と下限の推定

 

数値の予測がなかなかできない時は、上限と下限を推定します。

 

フェルミ推定する対象を分解する際には、

 

・長さの制限

 

・面積の制限

 

・体積の制限

 

・時間の制限

 

・速さの制限

 

・角度の制限

 

・質量の制限

 

・金銭の制限

 

などの物理的制限が生じるかどうか?を意識して行うことが大切と先述しました。

 

最大・最高でも、ここまでは行かないだろう、最小・最低でも、ここまでは行かないだろう、ということから、「上限」と「下限」を推定します。

 

その際によりどころとなるのが、何度も出てきますが、物理的な制限です。

 

また、上限と下限の推定は、メジャーな上限と下限の数値を知っていることで、やりやすくなります。

 

その情報を元に、類似したものの上限・下限を推定することができるからです。

フェルミ推定問題の解き方のコツ  相乗平均による数値決定

フェルミ推定において、各数値の上限と下限を推定したら、

 

次に、上限と下限の相乗平均を取ります。

 

相乗平均は、幾何平均とも呼ばれ「二つの数の積の平方根」のことです。

 

つまり、各数値のフェルミ推定の値を、√上限×下限と決定する、ということです。

 

(高校の数学で、「相加平均・相乗平均の関係より~」という形で、使われていたことを覚えている人もいるかも知れません。)

 

このことは、フェルミ推定に関係するほぼ全ての書籍や、サイトで触れられていませんが、正確なフェルミ推定をするために非常に重要なので、ぜひ理解しておいてください。

 

なぜ、相乗平均をとるかと言うと、それがフェルミ推定として最も誤差が小さくなるからです。

 

上限が36、下限が4の場合を考えてみてください。

 

この場合、フェルミ推定の値を何にしますか?

 

普通に平均をとる場合を考えてみましょう。

 

36+4を2で割って、20が平均です。

 

今度は、相乗平均を計算してみましょう。

 

36×4=144であり、これは12の二乗なので、相乗平均は12です。

 

 

この二つの結果を比べて見ると、

 

20は4の5倍、36の5/9です。

 

12は4の3倍、36の3/9です。

 

これを見ると、

 

数値を20に推定した場合、5/9~5倍になりうる可能性があり、

 

数値を12に推定すると、3/9~3倍になりうる可能性があり、

 

明らかに相乗平均の方が誤差が少ないことが分かると思います。

 

推定値よりも、上限よりでも、下限よりでも、簡単に計算できて誤差が少ないのが相乗平均の場合なのです。

 

こんな細かく計算する必要があるのか?と思う方がいるかもしれませんが、この誤差が積み重なると、大きなものとなります。

 

例えば、あるフェルミ推定する対象が、3つ数の積で表される場合、

 

相乗平均の場合なら、3の3乗で27倍の誤差で済みますが、5の3乗ならば、125倍もの誤差となってしまいます。

 

フェルミ推定する対象が、加減で算出できる場合なら、それほどでもないですが、乗除で算出しなければならない場合だと、

 

相乗平均を使用しないと、誤差が非常に大きくなってしまう場合があります。

 

 

フェルミ推定にかけることができる時間を考慮して、どこまで正確に計算するか決める必要がありますが、

 

相乗平均を使うことで、簡単に正確なフェルミ推定が可能となります。

 

相乗平均で出た数値に対して、上限寄りになるか、下限寄りになるか、分かるのなら、数値を増減させましょう。

 

上の例なら、相乗平均は12だが、上限よりの確率の方が高いだろうから、数値を15に推定しよう、という感じです。

 

フェルミ推定する際に、最も重要なのは、「桁」を間違えないことです。

 

桁がずれない範囲で、数値を簡略化しながら計算することで、素早いフェルミ推定が可能となります。

 

 

以上の過程で、フェルミ推定の問題の説くのに必要な各数値をフェルミ推定できたら、それらの各数値を加減乗除して、フェルミ推定は完了です。

 

※より正確な数値を出すには、各数値になる確率を計算して「期待値」を出し、数値を決定しますが、

 

これは元々の算出過程の誤差に含まれるので、フェルミ推定においては不要です。

 

全体にあいまいな部分が含まれるなら、一部分だけを正確に計算しても、意義が薄い、ということです。

2017/05/20 20:37:20 | フェルミ推定・統計
株・FXなどの投資では、安定して稼ぐことは非常に難しいです。その理由について、解説していきます。会社の収入が上がることがほぼ見込めない現代において、副業を行っている人は多いと思いますが、株・FXはかなりの上級者でもおすすめできません。株・FXなどの投資が安定して稼ぎにくい理由はたくさんありますが」、究極的な理由は、「裏をかくという心理を読むことが非常に難しいから」です。ある商品を買う際、裏をかくということをする人はほとんどいません。例えば、あなたが電子レンジを買うとします。そして、Aという電子レンジが、圧倒的に優れている場合に、「そうか、Aという電子レンジは売れているのか、じゃあ自分はBにしよ...
2016/12/09 15:09:09 | フェルミ推定・統計
「仲良しグループ」というものがあります。気が合うもの同士で集まったグループのことです。この仲良しグループの問題点について指摘していきたいと思います。深い人間関係を築くことは、本当に大切なことです。自分が困った時に本当に助けてくれるのは、深い人間関係を築いた人間だけです。しかし、気持ち悪い仲良しグループが多過ぎるのが目につきます。というのも、「仲良しグループ」というよりは、他の人と「仲良くできないグループ」になってしまっていることが非常に多いからです。仲良しグループの大きな弱点として、マナーが悪くなっていく、というのが挙げられます。仲良しグループ内同士では許し合える行為が増えて行きます。例えば、...
2016/10/22 23:11:22 | フェルミ推定・統計
無意識の記憶を制御しよう、というテーマで話をしていきます。今回のテーマはいわゆる「頭の良さ」の真髄ともいうべき極めて重要な内容です。学生時代、同じ参考書を使って、同じように勉強していて、表面上は同じ知識を持っているように見えるのに、成績が非常に良い、という人がいたはずです。そのような人たちは、「天才」と称され何か先天的に特殊な能力があると思われがちですが、何が違うのかと言うと、簡単で、「記憶力」が違います。同じ問題を解いて勉強しても、得ている情報量がまるで違うのです。一方は、問題と、その解き方を覚えているのに対して、記憶力が良い人は、その他の知識も大量に覚えているのです。例として、数学の問題を...
2016/06/20 02:09:20 | フェルミ推定・統計
フェルミ推定の例題を解くことで、論理的思考のトレーニングをしていきましょう。フェルミ推定の例題の中でも有名な次の問題を解いてみてください。日本全国にある電柱の数を求めてください。
2016/06/15 01:45:15 | フェルミ推定・統計
スプリットテストとは、あるものについて調べるため、一部だけを変えた二つの要素を用意して調べる、というテスト方法のことです。狭義ではABテストは仮説検定を指す言葉ですが、ここでは広義において、つまり施策の良否を判断するために、2つの施策同士を比較検討する行為全般を指すことにします。ABテスト(スプリットテスト)を簡単に言うと、ある対象を改善するために、一つの要素だけを変化させてみる、ということです。問題解決していく過程で、どこを変えれば良いかを考える時に、複数の要素を同時に変化させてしまうと、変化が複雑になってしまいます。どの要素の変化が、どれだけの影響を及ぼしているのかが分かりにくくなってしま...
2015/12/31 17:48:31 | フェルミ推定・統計
「シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」この問題は、フェルミ推定の問題の中でも、最も有名なものの一つです。という問題を、フェルミ推定してみてください。以下で解説していきますが、まずは自分の頭でやってみましょう!