無意識の記憶とは

無意識の記憶を制御しよう、というテーマで話をしていきます。

 

今回のテーマはいわゆる「頭の良さ」の真髄ともいうべき極めて重要な内容です。

 

 

学生時代、同じ参考書を使って、同じように勉強していて、

 

表面上は同じ知識を持っているように見えるのに、

 

成績が非常に良い、という人がいたはずです。

 

そのような人たちは、

 

「天才」

 

と称され何か先天的に特殊な能力があると思われがちですが、

 

何が違うのかと言うと、簡単で、「記憶力」が違います。

 

 

同じ問題を解いて勉強しても、

 

得ている情報量がまるで違うのです。

 

一方は、問題と、その解き方を覚えているのに対して、

 

記憶力が良い人は、その他の知識も大量に覚えているのです。

 

 

例として、数学の問題を挙げて解説してみます。

 

 

 

Aが3で、Bが4、Cが5である場合のDを求めよ

 

 

 

という問題があるとします。

 

記憶力があまり高くない人は、

 

この問題を解いて覚える際に、

 

Aが3の時、BがCである場合のDを求めよ

 

Bが4、Cが5であるのはXという状況だから、Yの定理を用いて解くことができる、

 

という形で解きます。

 

 

一方、記憶力の良い人は、

 

Bが4、Cが5であるのはXという状況だから、Yの定理を用いて解くことができる、

 

という意識的な記憶に加えて、

 

Aが3で、Bが4、Cが5である場合のDを求めよ

 

という問題そのものの情報もかなり正確に無意識で記憶しているのです。

 

 

・Aが3の時にXの定理を使った時の答えの数値

 

・Bが4の時にYの定理を用いた、ということ

 

・Cが5の時にYの定理を用いた時の答えの数値のタイプ(分数、無理数、虚数など)

 

などの具体的な条件も、無意識で記憶しているのです。

 

 

Xという状況だから、Yの定理を用いて解くことができる

 

というように問題を解いて、記憶している人たちは、

 

Aが3

 

Bが4

 

Cが5

 

という条件から、「Yの定理」を思いだすことはできません。

 

 

一方、

 

そのため、類似の問題が出た時に、

 

Yの定理を使う、という解法に逆にたどって気づきやすくなるのです。

 

 

無意識で

 

Aが3→Yの定理

 

Bが4→Yの定理

 

Cが5→Yの定理

 

という感じで、解法にたどり着きやすくなるのです。

 

今回の例では、単純な数値ですが、

 

数学以外のいかなる分野の問題においても同様です。

 

 

無意識に記憶している、というのがポイントで、

 

無意識に記憶しているので、その知識があることは

 

本人も気付いていません。

 

しかし、類似の問題が出た時に、具体的な問題のそれぞれの条件の記憶が手助けとなって、

 

解法に至ることができるのです。

 

これが、ペーパーテストにおける「ひらめき」と言われるものの正体です。

 

 

記憶力が高い人は、問題を解く際に、

 

「無意識の記憶」によって、

 

個々の問題の具体的な情報も無意識で記憶しており、

 

それが大きな手助けとなって解法を思いついている、ということです。

 

本人にも、周りにも何か特殊な頭の力があると感じられるわけです。

 

実際は、「具体的な条件の蓄積」という統計データが脳内にあるため、

 

問題を解くに至ったのであり、何か特殊な発想力などがあるため問題が解けるわけではないのです。

 

統計データからの「類推」によって解いているだけ、ということです。

 

 

よって、これから何らかの難関のペーパーテストに臨む人は、

 

ただ問題演習をして問題と、その解き方を覚えて行くだけでなく、

 

問題文章中の具体的な個々の条件を「意識的に」記憶するようにしてみてください。

 

本質的な解き方でけでなく、個々の条件を記憶することで、

 

難解な問題解決に至ることができるようになります。

無意識の記憶を制御しよう

さて、ここで本題の「無意識の記憶を制御しよう」

 

という本題に戻りましょう。

 

無意識の記憶は、問題を解決する糸口を見つけ出す、大きな手助けとなります。

 

「理由は分からないが、なぜかこの方法で解ける気がする」という状態を引き起こすことができます。

 

無意識の記憶により問題解決の速度アップをすることができます。

 

 

しかし、記憶力の高さに起因する「無意識の記憶力」には、極めて大きな弱点があります。

 

それは、バイアス(思い込み)を起こしやすい、ということです。

 

因果関係を把握せずに統計データによって導き出した脳内の知識は、

 

無関係な知識を想起させ、論理的な思考の大きな妨げとなります。

 

 

無意識の記憶による問題解決の速度アップが有効なのは、

 

「問題範囲が限定されている場合のみ」です。

 

つまり、学校のお勉強を始めとする各種ペーパーテストです。

 

問題範囲が決定されているからこそ、解法の範囲が限定されており、

 

「類題」を解いて無意識の記憶によって具体的な条件の知識を蓄積できるのです。

 

一般の範囲が限定されていない他の全ての問題に対しては、

 

いくら記憶力が高くても、範囲が限定されていないため情報量が膨大過ぎて、

 

統計データを蓄積することができないのです。

 

もちろん、統計データの蓄積が使える状況はごくわずかにあるのですが、

 

ペーパーテスト以外の問題では、非常に厳しい時間制限などは無いため、
(数学の難問などの1問20~40分)

 

データの蓄積によらずに問題を解いた方がはるかに効率が良いです。

 

 

学校のテストでは、非常に難解な問題を解くような人間が、

 

ほんのちょっと考えれば分かることが分からない、ということを体験したことがあると思います。

 

その原因は、自分の頭で考えて問題を解いていないからです。

 

「無意識の記憶」による統計データを用いて問題を解いていただけなので、

 

「統計データの取れていない対象」である、

 

人生で一回した出会わない日常のちょっとした問題を解決できないのです。

 

これが、高学歴な馬鹿が存在する主原因です。

 

 

無意識の記憶は、

 

ペーパーテスト以外のほとんどの問題解決において、全く役に立たず、

 

逆に無関係な事柄を無意識の記憶によって思いだしてしまう、バイアスの原因になってしまいます。

 

普段から無意識の記憶を制御する習慣をつけ、

 

自分が思いついた問題解決の方法が、

 

裏付けの取れていない「無意識の記憶」によって、もたらされたモノでないかを、常に気にかけるようにしましょう。

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