馬鹿は固有名詞を覚えたがる

固有名詞を覚えるのが大好きな人が、大勢います。

 

まず、固有名詞は、覚えるための労力がかかる割に、非常に忘れやすいです。

 

固有名詞自体が、その固有名詞の内容を反映しているものなら比較的記憶しやすいですが、

 

ほとんどの固有名詞は、名称にその内容を反映していません。

 

そのため、内容自体よりもはるかに忘れやすいです。

 

したがって、記憶しにくいので、記憶できた時の達成感が大きいのです。

 

 

また、固有名詞を記憶しているかどうか、ということは、「0か1」かなので、非常に分かりやすいです。

 

思い出せれば1、思い出せなければ0、という訳です。

 

記憶しているか、していないかが、「ある」か「ない」かの二つなので、分かりやすく、学習の成果が非常に分かりやすいのです。

 

これが理由で、記憶対象として非常に好まれます。

 

固有名詞と、それと対応する内容を記憶する、ということを繰り返すことで、自分が成長しているという感覚を味わいやすいのです。

 

しかし、本当に必要なのは、その固有名詞と、内容の関係を記憶することではなく、内容を使いこなすことです。

 

 

 

固有名詞を記憶すると、それが示す内容を使いこなせるようになったと錯覚してしまう人が非常に多いです。

 

例えば、

 

フォンレストルフ効果という心理学の用語があります。

 

これが表す内容は、

 

「他と異なることは記憶に残りやすい」

 

ということです。

 

しかし、

 

「フォンレストルフ効果=他と異なることは記憶に残りやすい」

 

という固有名詞と、その意味の対応関係を記憶すること自体には、ほとんど意味がありません。

 

重要なのは、

 

「他と異なることは記憶しやすい」

 

という知識を使いこなすことです。

 

例えば、商品開発において、他と異なることがいかに記憶に残りやすいといっても、

 

他と異なり過ぎては、元の概念と違い過ぎるので、嫌悪感を抱かれる可能性があります。

 

ですので、どのようにすれば、嫌悪感を抱かれない範囲で、他と異なるものにできるか、ということを考える必要があるのです。

 

これを適切に達成できるかどうかが問題なのです。

思考に固有名詞はほとんど必要ない

「フォンレストルフ効果=他と異なることは記憶に残りやすい」

 

ということを記憶できたことは、その内容を使いこなせるかどうかには全く関係ないのです。

 

しかし、固有名詞を記憶することは、先述のように、

 

記憶すると達成感があり、また記憶できたかどうかが分かりやすいので、

 

その知識を使いこなせるようになったと錯覚してしまう人が非常に多いので注意が必要です。

 

逆に、固有名詞を正確に記憶していなくても、その知識を使いこなせていれば、ほとんど問題ありません。

 

固有名詞そのものを正確に記憶していなくても、それが表す内容を正確に記憶できていれば、簡単に検索して固有名詞自体を調べることができるからです。

 

 

 

固有名詞を記憶することは、見かけ上、知識量が増えて行っているように見えますが、

 

知識そのものを使いこなせていないと、意味がないのです。

 

固有名詞は、実は、使う機会が非常に少ないからです。

 

固有名詞が必要になるのは、主にその思考内容を他者に伝える場合であって、自分の頭で思考する時に、固有名詞はほとんど必要ありません。

 

固有名詞そのもので思考するのではなく、その内容で思考するからです。

 

固有名詞を記憶していなくとも、その固有名詞が示す内容が分かっていれば、その知識は利用することができます。

 

 

しかし、知識そのものを「使いこなせているかどうか」、ということは、「固有名詞を知っているかどうか」に比べて、評価が難しいので、

 

知識そのものを使いこなせていても、固有名詞をしっかりと記憶していないと、その知識を使いこなせていないと評価されやすいという問題もありますが、

 

実用的な観点から考えるなら、固有名詞を正確に記憶することに注力するのではなく、

 

知識そのものを使いこなすことに注力するようにしましょう。

 

感覚で行動するのではなく、「本当に価値があることは何か?」と考える習慣をつけるようにして、無駄な努力をしないようにしてくだい。

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