速読の弱点 情報の真偽の把握

頭を良くするためには、速読が大事、速読して大量の知識を取り入れるべきだ

 

という主張はもっともですが、

 

実は、速読には大きな弱点があります。

 

大量の知識を得ることは、思考のために大切なことですが、

 

速読は間違った方法で行ってしまうと、逆に思考を妨げることになってしまいます。

 

 

速読をしても頭が良くならない主な理由は、

 

自分の思考力に見合った速度で読まないと、思考力が伸びない、ということです。

 

以下、詳しく解説していきましょう。

 

 

まず、無理な速読をすると、

 

情報の真偽を正確に確認することができません。

 

世の中、正しい情報ばかりではなく、その中に、間違った情報もたくさん含まれています。

 

情報は、論理的に分析しなければ、その真偽は分かりません。

 

思考力に見合わない速読をしてしまうと、情報の真偽の判断が正確にできず、

 

間違った情報も、脳内にどんどん蓄積されていってしまいます

 

そのため、思考をする際に、間違った知識を使って、間違った思考をしてしまうのです。

 

見かけの知識量が増えただけでは意味がないのです。

 

正しい情報かどうかを吟味して脳内に知識を入れていかなければなりません。

 

 

特に、近年では、出版のハードルが下がってきたため、低レベルの書籍の割合が非常に高いので、注意が必要です。

 

本という形態になっていても、非常に多くの間違いが含まれているのです。

速読の弱点 情報の関連付け

また、能力を超えた速読をすると、新たな情報を既知の情報と関連づけすることができません。

 

読書で得た情報を、「その本としか関連づけできない」のです。

 

「どの本に、こういう情報が書いてあった、ということを覚えているだけに過ぎない」、ということです。

 

「自分の脳内の知識と、新たな知識を関連付けできていない」ということです。

 

情報は、自分の脳内の情報との関係性を考えながら取り入れていくことで、応用の効く形で記憶されます。

 

しかし、自分の能力を超えて速読をすると、単なる独立した知識=雑学がストックされていくだけなんですね。

 

知識を思考しながら脳内の知識と関連付けさせないと、情報を忘れてしまいやすくなります。

 

 

無理な速読をして知識を大量に得たと錯覚しても、

 

その実、応用の効かない表面的な知識、忘れやすい知識を覚えているに過ぎないのです。

 

 

自分の思考能力を超えた速読をすると、

 

見た目上の知識は増えていっているように錯覚しやすいですが、その中には間違った情報が含まれていたり、

 

自分の脳内の知識と十分に関連付けがしにくかったりして、思考力が伸びて行きにくいのです。

 

速読自慢の人は、自分の能力を超えた速読を行い、

 

表面的な情報を拾っていっているだけに過ぎない可能性が非常に高く、

 

いくら速読しても、雑学が増えているだけに過ぎず、知識を活用できる形で脳にストックできていないのです。

 

思考力が高くないうち、思考速度が遅いうちは、じっくりと情報の真偽を論理的に判定しつつ、

 

じっくりと自分の脳内の知識との関連性を考え、関連付けさせていくようにしましょう。

 

もちろん、「思考速度が速くなった結果としての速読」なら全く問題ないのですが、そうでない速読をしている人が多過ぎます。

速読をするべき状況とは?

速読をして良いのは、先述のような自分の思考能力に見合った速度で行う場合、

 

もしくは、情報をサーチする場合です。

 

「情報をサーチする」とは、必要とする情報があらかじめ決まっており、その情報を文章中から探す行為のことを指します。

 

例えば、特定のジャンルの情報だけを本から探す場合や、文章の概要をつかみたい場合などです。

 

この能力は、特にビジネスにおいて資料を素早く把握する際などに必要とされる能力です。

 

あるテーマがあり、そのテーマに関連した情報を探す、という場合などに、速読が有用になります。

 

このような場合は、速読をしても構いません。

 

 

以上に述べてきたように、なんでもかんでも速読するのは意味がありません。

 

世間では、「速読は絶対的な正義」かのような風潮ですが、

 

情報をサーチしたいのか。

 

思考力を高めたいのか。

 

蔵書の数を増やして、読書家自慢したいのか、

 

そういった読書の目的に応じて、読み方を変える必要があるのです。

 

速読は身に着ければ有用なテクニックですが、

 

思考速度は、読書速度ほど簡単に上がるものではありません。

 

無理に速読をするのではなく、状況に応じて読み方を使い分けて行く必要があります。

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