論理パズルと頭の良さ

論理パズルというものを御存じでしょうか?

 

御存じない方のために、論理パズルの代表的な問題を載せておきます。

 

 

 

あるところに3人の宣教師と3人の人食い人種がいて、宣教師たちは舟を使って向こう岸まで渡ろうとしています。

 

舟には2人まで乗ることができます。

 

ところが、どんな状況でも、宣教師の数がそこにいる人食い人種の数より少なくなると、彼らに殺されしまいます。

 

全員無事に向こう岸まで渡るにはどのようにすればよいでしょうか?

 

 

論理パズルは、特別な知識を必要とせず、論理的に思考すれば解決できる問題であり、あなたも人生で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

 

ロジカルシンキング、というと、このような問題を解くことを思い浮かべる人が多いように思います。

 

しかし、このような論理パズルは、良い頭の体操にはなりますが、論理パズルが得意な人でも、頭が良い人であるとは限りません。

 

論理パズルがいくら解けるようになっても、実際の問題解決能力はあまり伸びないのです。

 

 

一つ目の問題点は、論理パズルは「情報が排除され過ぎている」という点です。

 

現実の問題では、問題を解くのに関係の無い情報も、多数含まれているものです。

 

その中から、何が関係があって、何が関係が無いのかを論理的に区別できて初めて、考えることができます。

 

一方、ほぼ全ての論理パズルでは、必要のない情報が初めからほぼ排除されてしまっているため、

 

論理パズルがいくらできても、必要のない情報を排除する能力が養われません。

 

これに伴って、情報の組みあわせのパターンが限られてくるので、論理パズルでは簡単に問題を解くことができます。

 

必要な情報だけに限られているので、問題を解く際の場合分けのパターンも限られてくるので、

 

問題を簡単に解くことができます。

 

 

さらに、論理パズルは、「解くための特殊な知識が必要ない」という大前提の元に作られています。

 

この前提を守っていない論理パズルは、悪問と見なされます。

 

つまり、論理パズルでは、解くために必要な情報はあらかじめ全て出そろっている、ということです。

 

その結果、不足している情報を発見し、それを調べるという能力が養われません。

 

現実に生じる問題では、全ての情報があらかじめ出そろっていることはなく、

 

問題解決のために不足している情報を見つけ出す能力が必要なのです。

 

 

 

まとめると、論理パズルでは、物事の関係性を把握する能力と、必要な情報を検索する能力がほとんど養われない、ということです。

 

論理パズルに取り組むことそのものは、論理的思考のトレーニングにはなりますが、このような欠点があるのです。

 

論理パズルが得意だから、ロジカルシンキング(論理的思考)はバッチリ、と思っている人がいたら、

 

論理パズルには、このような欠点があるのだということを肝に命じておいてください。

 

何が問題に関係していて、何が関係していないかの物事の関係性を見抜く能力

 

不足している情報を特定する能力がトレーニングされないのです。

 

論理パズルという「特別な知識を必要とせず、情報が必要十分である、というお膳立てをされた問題」をいくら解いても、

 

それだけでは現実の問題には対処できる力は十分に養われません。

 

論理パズルの問題と、現実の問題の相違点を理解しておいてください。

 

ただし、論理パズルはロジカルシンキングの初級~中級くらいにかけては、

 

良いトレーニングになるので、ぜひやってみてください。

 

 

論理パズル参考サイト→http://quiz-tairiku.com/logic/index.html

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